1/3
https://www.jcr.co.jp/
1 7 - D- 0 9 9 2
2 0 1 8年 3 月 2 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
イオンリート投資法人
(証券コード:3292)【据置】
長期発行体格付 AA-
格付の見通し 安定的
債券格付 AA-
発行登録債予備格付 AA-
■格付事由
(1) イオンをスポンサーとする商業施設特化型のJ-REIT。12年11月に設立され、13年11月に東京証券取引
所(不動産投資信託証券市場)に上場した。現行ポートフォリオは全 40 物件(国内 38 物件、海外 2 物
件)から成り、取得価格総額 3,551億円の資産規模。スポンサーグループによる国内全域にわたる大規模
商業施設の開発、運営状況も反映し、エリアやタイプの分散にも一定の配慮がなされたポートフォリオの
構築が進められている。
(2) 本投資法人は継続的に、スピードを加速しながら、外部成長に取り組んでいる。17 年には 2 度の公募増
資も絡め、「イオンモール伊丹昆陽」ほか商業施設7 物件、「イオン南大阪RDC」ほか物流施設2 物件の
計9物件を866億円で新規取得した結果、現状の資産規模は17/1期末比で32%増大した。こうした外部
成長を通じた物件分散の進展、100%で推移している稼働率や平均NOI利回り(17年11月時点で6.4%)
などの賃貸事業運営のトラックレコード、スポンサーグループをマスターレッシーとした長期かつ固定賃
料の賃貸借契約内容等を考慮すると、安定したポートフォリオ・キャッシュフローを確保可能とみられる。
一方、商業施設の賃貸市況については一般的に、景気や消費マインドに比較的左右されやすい点は否めな
い。商業施設を保有、運営する J-REITの一つとして、実店舗において今後、近年台頭が著しい eコマー
スとの競合も厳しさを増していくと想定される中、ポートフォリオ・キャッシュフローの更なる安定性向
上にむけては、消費者ニーズや経年への対応、テナントの多様化を含めた、商業施設としての競争力及び
鮮度の維持・向上等の取り組みが必要になるものと JCR では考えている。なお、レバレッジコントロー
ルの状況、財務バッファーとなりうる含み益の推移、有利子負債の調達内容、金融機関取引状況などから
みて、財務の健全性は維持されている。以上を踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的とした。
(3) 本投資法人はスポンサーグループのパイプライン活用を軸に、中期的目標である資産規模 5,000億円の達
成を目指す方針である。スポンサーグループとの協業により、一定の収益性を確保しつつ、取得目線に沿
った形での外部成長が進展していくかがポイントと考える。内部成長についてはスポンサーグループの施
設運営力を活用し、賃料増額の実績を有する、保有物件の改装・増床といった活性化投資等への取り組み
が続くものと想定される。なお、18 年に「イオンモール熊本」のサブ核ゾーンの再築が竣工予定であり、
平成 28 年熊本地震からの復旧という観点においても、当該工事の進捗や竣工後のポートフォリオ・キャ
ッシュフローへの寄与の状況などに注目している。
(4) 資産総額ベースの簿価LTVは17年9月末時点で41.4%(預り敷金及び保証金を含む場合:45.0%)と、
公募増資を経て、17/7 期末の 43.0%(同:46.7%)に比べ緩やかながら低下している。また、ポートフ
ォリオの含み益は拡大傾向にあり、同期末時点において 313 億円(対簿価含み益率:9.9%)を有してい
る。デット・ファイナンスでは新規レンダーを招聘しつつ、メガバンクを中心としたレンダーフォーメー
ションが維持されており、投資法人債(期間 20 年を含む)の発行による直接金融へのアクセスも継続し
ている。適切なレバレッジコントロール、一段の平均調達金利低減、返済期限分散化等に関する取り組み
2/3
https://www.jcr.co.jp/ 【主な新規取得物件の概要】
イオンモール伊丹昆陽
・11 年 2 月に竣工、開業したリージョナル型ショッピングセンター。「イオンスタイル伊丹昆陽店」を
核に、「スポーツオーソリティ」、「ジョーシン」のほか、「H&M」といったアパレルなど、約 160 の専
門店等で構成されている。地域住民をターゲットとした、フィットネスクラブやクリニック、カルチ
ャーセンター等のサービス業態のテナントも一定の割合を占めている。現行稼働率は 100%で、スポ
ンサーグループのイオンリテールとの間で賃料固定型マスターリース契約が締結されている。
・周辺は、幹線道路沿いに本物件を中心として高層共同住宅、低層店舗等が連担する商業地域となって
いる。阪急電鉄伊丹線「伊丹」駅から道路距離で約 4.1km と最寄り駅への接近性は劣る一方、主要道
路の県道42号線が南側で国道171号、北側で国道176号及び宝塚インターチェンジと接続しているこ
とから、車利用での交通利便性は優れているとみられる。
・建物内では東側に核店舗、西側に専門店街が配置されており、東側の1~4階及び屋上は立体駐車場と
通路で接続している。各階の用途は、地下1階が自走式駐車場、地上1~3階が店舗、地上4階が店舗
及 び自 走式 駐車 場、 屋上 が自 走式 駐車 場と なっ てい る。 駐車 場台 数は約 2,400 台、 駐輪 場台 数は 約
1,600 台が確保されており、車利用客を含め十分な集客力を有しているとみられる。築後約 7 年と比
較的新しく、維持管理の状態は概ね良好である。
取得日 :17年2月28日
取得価格 :16,860百万円
鑑定評価額 :17,600百万円(17年7月末時点)
(担当)杉山 成夫・松田 信康
■格付対象
発行体:イオンリート投資法人
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 AA- 安定的
対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付
第 1 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付)
20 億円 2015 年 10 月 13 日 2025 年 10 月 10 日 0.961% AA-
第 2 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付)
10 億円 2016 年 10 月 19 日 2026 年 10 月 20 日 0.470% AA-
第 3 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付)
10 億円 2016 年 10 月 19 日 2036 年 10 月 20 日 1.200% AA-
第 4 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付)
20 億円 2017 年 12 月 8 日 2027 年 12 月 8 日 0.680% AA-
対象 発行予定額 発行予定期間 予備格付
3/3
https://www.jcr.co.jp/
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2018年2月27日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:杉山 成夫
主任格付アナリスト:杉山 成夫
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の
種類と記号の定義」(2014年1月6日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法(格付方法)の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付
関連情報」に、「J-REIT」(2017年7月3日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) イオンリート投資法人
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・格付関係者が提供した監査済財務諸表
・格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. JCRに対して直近1年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCRが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCRは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCRは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCRの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCRの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCRの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCRが保有しています。JCRの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCRに無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
予備格付:予備格付とは、格付対象の重要な発行条件が確定していない段階で予備的な評価として付与する格付です。発行条件が確定した場合には
当該条件を確認し改めて格付を付与しますが、発行条件の内容等によっては、当該格付の水準は予備格付の水準と異なることがあります。
■NRSRO 登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の4クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先